2026年度展開ゼミ 第10回 議事録
2026年度展開ゼミ第10回の議事録です。
日時:2026年6月24日(水)14:50-16:20
会場:DW704
参加者:13名 髙橋、沖村班(4名)、安田班(4名)、山田班(4名)
1 グループ発表
(1)安田班
・発表者:松原
・課題本:『地方暮らしの幸福と若者』
・発表範囲:第8章「社会関係」
[概要]
地方暮らしの若者の社会関係と社会問題や政治との関わりを捉える。ソーシャル志向の強さと社会感覚は必ずしも結びつかないことがわかった。また、日本の社会秩序への信頼感をめぐっては、「幸福のジレンマ」が生じている。〈質疑応答〉
質問1:「ソーシャル志向を持つものは全体の3割程度」とあるが、この全体とはみよし市と 町のデータのことか。
回答1:そう通りである。
質問2:交友型・協働型とソーシャル志向のモチベーションの間に関連はあるか。
回答3:別の見方からの分類であり、関連はない。
(2)山田班
・発表者:鍋田
・課題本:『東京で育つ/育てる』
・発表範囲:第18章「育つ/育てる中の困難と脱却の道筋」
[概要]
3類型それぞれの経験を整理し、「普通」の実現のための教育を巡る競争がもたらす困難について検討した。それぞれの生活の隔たりや「地方型」の再形成が必要であることが明らかになった。また、どの類型においても母親・女性には特有の負担や従属的位置を押し付けられる状況がみられた。
〈質疑応答〉
質問1:大企業型では3領域が強固に結合していることにより困難な経験が生じることがあるとのことだが、具体例はあるか。
回答1:大学の学部選びで家族の意見も考慮しなければならない、など自由な選択に困難が生じることがある。
(3)山田班
・発表者:鍋田
・課題本:『東京で育つ/育てる』
・発表範囲:終章「日本という社会空間を読み解く」
[概要]
ブルデューの階級分析を日本に当てはめるには「地方型」の存在が重要であり、コミュニティ資本や学歴資本などさらなるラベルが必要である。また、学歴競争が激化する現在では母親の負担がますます大きくなっている。
〈質疑応答〉
質問1:日本では脱主婦化を後押しする政策がない、とあるが外国での具体例はあるか。
回答1:具体例は書籍にはない。
〈先生からの補足〉
外国での脱主婦化の政策の具体例としては、保育園の公的化や、課税を世帯単位から個人単位にすること、育休を強制的に取らせることがある。
(4)沖村班
・発表者:小坂
・課題本:『地域・都市の社会学』
・発表範囲:第9章「コミュニティはどこから来てどこへ行くのか」
[概要]
コミュニティの捉え方は様々で問題の解決策として語られることが多い。コミュニティは持続可能性を生み出すことができる。しかしコミュニティには排除の側面もあり、その乗り越え方を考える必要がある。
〈質疑応答〉
質問1:コミュニティを資源管理の仕組みとして捉える、とあるがここで言う資源とはどういったものか。
回答1:書籍での例として海藻類や燃料となる木材がある。
質問2:コミュニティの排除の具体例はなにか。
回答2:コミュニティのモデルを共有できない人の排除が起きている。
質問3:具体的に何を共有できない人のことか。
回答3:コミュニティのモデルであり、その具体例としては学生運動をモデルとしたコミュニティや企業での関係性をモデルとしたコミュニティがある。
質問4:コミュニティについての議論が長い時間軸を持つ必要がある、とあるがそれはなぜか。
回答4:短期間ではダイナミズムを明らかにしにくいからである。
質問5:ダイナミズムとはなにか。
回答5:変化という意味であり、コミュニティが時間と共にどう変わっていくかを知ることである。
(5)沖村班
・発表者:小坂
・課題本:『地域・都市の社会学』
・発表範囲:第11章「地域・都市はどこへ行くべきか」
[概要]
社会は個人化・分断化が進んでおり、これはリスク社会の進行でもある。このような状況下では寛容性や他者を正しく知るための知識が重要である。他にも新たなコミュニティ像の提案や人々のネットワークを繋ぐ支援が行われている。
〈質疑応答〉
質問1:ネオリベラリズムという言葉の意味は何か。
回答1:新自由主義のことであり、自己責任を重んじる考え方のことである。
2 まとめ
安田班の発表では地方暮らしの若者の社会関係と社会問題のつながりが明らかになった。山田班の発表では「普通」を実現するための教育がもたらす困難と、ブルデューの階級分析を日本に当てはめる際にさらなるラベルが必要であることがわかった。沖村班の発表ではコミュニティは生み出すものがある一方で排除される人がいること、個人化が進む社会では寛容さや人々の繋がりが重要であることがわかった。
作成:森
編集:沖村
