
Kanaet-Lab
Faculty of Human Studies, Meijo University
名城大学人間学部 髙橋香苗研究室は、現代の家族とカルチャーについて社会学的なアプローチで研究しています。
今ここにある身近な現象に向き合い、その背後にある現代社会のメカニズムを探求します。
What's New
2024.11.25-12.25
名城大学リサーチフェア2024に出展いたしました
2024.11.19
2025年度のゼミ募集は終了しました
2024.11.10-14
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Kanae TAKAHASHI

名城大学人間学部 助教
1989年福岡市生まれ。博士(情報コミュニケーション学)。明治大学大学院情報コミュニケーション研究科、民間企業での勤務、東京大学社会科学研究所特任研究員などを経て現職。
専門は家族社会学、文化社会学。社会学を軸に、家族、ファッション、サブカルチャー、メディア表象、ライフコースなど複数分野を横断した学際研究に取り組む。とりわけ、「ギャルママ」と呼ばれる母親たちの実践や葛藤に焦点を当て、ファッションという切り口から現代社会における母親らしさとは何か、家族をとりまく社会の規範と逸脱について研究。
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Profile
●経歴
1989年5月 福岡県福岡市生まれ
2007年〜2014年 ラジオパーソナリティー、リポーター、ディレクターなどとして活動
2008年3月 兵庫県立北摂三田高等学校 卒業
2009年4月 明治大学情報コミュニケーション学部 入学
2012年3月 明治大学情報コミュニケーション学部 3年次早期卒業
2012年4月 明治大学大学院情報コミュニケーション研究科博士前期課程 入学
2014年3月 明治大学大学院情報コミュニケーション研究科博士前期課程 修了
2014年4月〜2016年3月 民間企業に勤務
2016年4月 明治大学大学院情報コミュニケーション研究科博士後期課程 入学
2021年4月〜2023年3月 東京大学社会科学研究所CSRDA 特任研究員
2022年3月 明治大学大学院情報コミュニケーション研究科博士後期課程 修了
博士(情報コミュニケーション学)
2023年4月 名城大学人間学部 助教
●これまで/現在の非常勤
高崎商科大学短期大学部(2021年〜「社会学」)
山梨県立大学人間福祉学部(2022年〜2023年「社会調査の基礎」)
明治学院大学社会学部(2022年「データ分析入門」)
東京医療保健大学千葉看護学部(2022年「ダイバーシティ」「家族社会学」)
●主な資格
専門社会調査士
図書館司書
第一種衛生管理者免許
●所属学会
関東社会学会
日本家族社会学会
家族問題研究学会
国際ジェンダー学会
カルチュラルスタディーズ学会
日本家政学会家族関係学部会
日本子育て学会
●あつまれどうぶつの森 夢番地
グモング島:DA-3483-7426-2735
ジモンジ島:DA-6773-4376-9990

Research
●親子・夫婦・家族の研究
現代社会における「母親らしさ」や家族をとりまく規範について研究しています。現代の日本社会では家族、とりわけ母親に対する子育ての責任や期待が拡大しています。その一方で、自分らしさが重要だという価値観が浸透したことで、母親たちにとってもキャリア形成など自分自身の生き方も大切にしたいという欲求も高まっています。今日の母親たちは、母親らしさと自分らしさをめぐる問題にどのように向き合っているのでしょうか。こうした問いをギャル系ファッションが好きな母親、いわゆる「ギャルママ」の実践や葛藤に焦点を当てることから研究しています。
●ライフコース・文化資本の研究
世代間の文化的再生産に関心があり、親たちのどのような経験が子育て意識や実践と関連しているのかについて研究しています。近年では90年代にギャル・ギャル男だった人を親にもつ現役のギャルたちが登場しつつあります。そうしたギャル文化の世代間継承や再生産に関心をもっています。また、パネル調査プロジェクトにも参画し、パネルデータを用いた文化的再生産のメカニズムの検証も試みています。
●サブカルチャー・ファッションの研究
サブカルチャーやファッションがそれを受容する人々にとってどのような意味をもつ実践であるのかを研究しています。特に1990年代以降に隆盛したギャル文化に注目し、雑誌を用いた分析やインタビューを中心とした調査をおこなっています。
●メディア表象の研究
メディアは私たちの生活にとって大きな影響力をもっており、特に規範を生み出す装置として機能しています。ラジオパーソナリティの活動などメディアの作り手としての経験から、メディアによって構築される「世界」とそこで(再)生産されていく社会の規範に関心をもって研究しています。なかでもファッション雑誌を資料にした内容分析や計量テキスト分析をおこなっています。
Publications
●論文など
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髙橋香苗(2018)「性別役割意識における夫婦の非対称性」『「夫婦データを用いた、家計・就業・子育てに関する二次分析」研究成果報告書(SSJDAリサーチペーパーシリーズ65号)』 pp.153-167
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髙橋香苗(2019)「女性誌のフォーマル・ファッション記事からみる母親の規範――ギャルママのファッションは逸脱なのか」『家族研究年報』第44巻 pp.43-60 ※外部リンク
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髙橋香苗(2020)「育児期の母親を読者とするファッション誌における家事・育児の価値観――ギャルママはなにが異なるのか」『情報コミュニケーション研究論集』第18号 pp.1-19 ※外部リンク
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髙橋香苗(2020)「ギャルママの子どもに対する期待と子育ての方針――教育を含む子育て実践に着目して」『家族関係学』第39巻 pp.29-41 ※外部リンク
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髙橋香苗(2021)「母親らしさと自分らしさの両立における葛藤と対処方略――ギャルママの子育てを『ちゃんとする』という実践」『国際ジェンダー学会誌』第19号 pp.113-130 ※外部リンク
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髙橋香苗(2021)「妊娠先行型結婚であることによって親子関係に差異は生じるのか――第一子の生まれたタイミングの違いに着目して」『第4回家族についての全国調査(NFRJ18)第2次報告書「親子関係・世代間関係」』 pp.1-11
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髙橋香苗(2022)「母親の服装に関する行動の動機と実践――ギャル系ファッションのギャルママを事例に」『情報コミュニケーション研究論集』第21号 pp.21-38 ※外部リンク
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髙橋香苗(2023)「家族形成期の人々が経験するコロナ禍の意味――パネルデータを用いた自由記述回答の計量テキスト分析を中心に」『パネル調査プロジェクトディスカッションペーパーシリーズ』162号 ※外部リンク
●学会発表
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髙橋香苗(2016)「女性雑誌にみられる就業意識に関する研究」2016年度家族問題研究学会大会
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髙橋香苗(2016)「主婦の価値規範意識と主婦像に関する研究」第26回日本家族社会学会大会
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Kanae TAKAHASHI(2017)“The emergence of new housewives?: A content analysis of Japanese housewives’ magazines, VERY and I LOVE mama, from a class and gender perspective” EAJS 2017 15th International Conference of the European Association for Japanese Studies, Lisbon, Portugal
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Kanae TAKAHASHI(2017)“Ideal Images of Urban Housewives in Japanese Media: An Analysis of a Housewives' Magazine, VERY” International Conference: URBAN SPACES AND GENDER: Exploring Gender, Marginalization and Equity in Urban Spaces in the Asia-Pacific, New Delhi, India
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Kanae TAKAHASHI(2018)“Stylish Housewives: The Changing Ideals of Young Mothers depicted in the Fashion Magazine ‘VERY’” The Biennial Conference of the Asian Studies Association of Australia 2018, Sydney, Australia
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髙橋香苗(2018)「ソーシャルメディア研究の方法論的課題」国際ジェンダー学会2018年大会
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髙橋香苗(2018)「女性雑誌が描くライフスタイルとファッションに関する研究――想定読者の年齢差に着目して」第28回日本家族社会学会大会
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髙橋香苗(2019)「なぜ炎上広告は生まれるのか――広告実務における課題」国際ジェンダー学会2019年大会
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髙橋香苗(2019)「現代社会における母親像――ギャルママの逸脱感はどこからくるのか」国際ジェンダー学会研究会
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髙橋香苗(2020)「育児期の母親のネットワーキングによる孤立の解消とエンパワーメント――ギャルママはママサーに何を期待したのか」第30回日本家族社会学会大会
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髙橋香苗(2022)「1950年代から80年代の働く女性の服装規範――雑誌『若い女性』の表象分析から」国際ジェンダー学会2022年大会
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髙橋香苗(2023)「家族形成期の人々が経験するコロナ禍とその意味――パネルデータを用いた自由記述回答の計量テキスト分析を中心に」東大社研パネルシンポジウム2023
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髙橋香苗(2023)「VTuberとジェンダー規範」国際ジェンダー学会2023年大会

Seminar
●コンセプト:学部で一番汗をかくゼミ
......といっても、みんなで筋トレをするわけではありません。
研究というのは、自身で設定した問いに対する自分なりの答えを提示していくクリエイティブな営みです。すでに本やネットに書かれている情報をまとめて編集するだけではなく、本やネットに書かれていない知見を見つけることが求められます。もちろん、本や論文をしっかり読んで既存研究の知見を学んだり、知識や情報を蓄積することは重要です。その上で、本やネットには書かれていないことを発見するためには、さまざまな資料やデータを地道に収集して分析する=汗をかくことが必要です。それはとても大変な作業ではありますが、なにかを創造する楽しさがあるものです。本ゼミの活動の根幹は、地味な作業をコツコツ積み重ねて必死に汗をかくことです。
●活動内容:家族とカルチャーの社会学
家族やライフコース、サブカルチャー、メディアなどについて社会学的なアプローチから研究したい学生を歓迎します。3年次は、研究に必要な基礎的知識を獲得するための文献講読、研究の実施に向けたグループワークでのリサーチ演習、各自の卒業研究のテーマ探索をおこないます。4年次は、それぞれの関心に基づいて設定したテーマについて、社会学的観点から研究にとりくみ、卒業論文の完成を目指します。担当教員が混合研究法を採用しているため、本ゼミでは、量的手法・質的手法にかかわらず、各自の研究テーマに合わせた手法で研究に取り組むことが可能です。
また、夏季休暇には他大学のゼミナールと合同合宿をおこなう可能性があります。
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●活動方針:Trial & Error
何事も最初から100点満点を出せる人は、そういません。そして、最初から100点満点を出す必要もないと思っています。特にはじめて経験することは、そもそも何が100点満点なのかもわからないことが多いからです。まずはとにかくやってみて、アウトプットする。そして周りの人たちから質問や助言、フィードバックをもらいながら改善させていく。そうやって少しずつ100点満点に近づいていけばいいのではないでしょうか。本ゼミは、失敗や遠回りを嫌がらずに繰り返しチャレンジする姿勢を大切にします。
●卒業までの流れ:研究もキャリアも欲張りに
3年生の夏から後期の時期はインターンシップで、3年生の終わりから4年生の夏頃までは就職活動で忙しくなるため、どうしてもゼミナールを欠席してしまったり、卒業研究を思うように進められなくなってしまうことがあります。そうした状況を想定した上で、本ゼミは時間的にも気持ち的にも余裕がある3年前期からフルスロットルで活動します。そして、インターンシップや就職活動で忙しい時期は、個々の状況に合わせて作業を進め、4年後期から卒論の完成に向けてラストスパートをかけていきます。本ゼミは、研究とキャリア形成の両立をサポートします。
【2年生】
10月〜12月 ゼミ募集
1月 顔合わせ
【3年生】
4月〜6月 文献講読
7月 リサーチ演習
8月〜9月 夏合宿:リサーチ演習の成果報告
10月〜3月 卒論テーマの探索、先行研究の整理
【4年生】
4月〜 調査計画の立案・実施
6月 題目の提出
8〜9月 夏合宿:卒論の中間報告
11月末 卒論(初稿)の提出
12月 最終修正
1月 卒論(完成版)の提出
1月末 卒論発表会
●身に付くスキル:社会で活躍するための基礎固め
学部を卒業した多くの人は企業に就職し、社会で活躍していくことになります。仕事の現場で求められるさまざまなスキルと大学の授業やゼミナールで身につくスキルは無関係ではありません。社会で活躍している人ほど大学でその基盤となる態度やスキルを獲得しているという指摘もあるくらいです。本ゼミのさまざまな活動は、特に以下のスキルを身に付け、向上させることを意図しています。
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文章読解、文章表現
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プレゼンテーション
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資料収集、情報検索
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基礎的な社会調査
●選抜方針:Diversity & Inclusion
本ゼミは、希望者数に関わらず全員と面接をおこないます。希望者が定員を超えた場合は、希望理由書と面接による選抜をおこないます。選抜が生じた際は「ゼミのコンセプトや活動方針を実践してくれそうな人」を一つの基準にしながらも、多様な人が集まるゼミにしたいと考えています。
ゼミナールは一つのチームだと考えます。個々に卒業論文を執筆することが最終的なゴールではありますが、それは個人プレーであることを意味していません。互いのアイデアに対して意見を出し合ったり、話題を提供しあったり、それぞれのアイデアがより良いかたちになるようにチームとして協働しながら個々のゴールに向かって進んでいきます。研究とは孤独な営みではないのです。
そこで本ゼミは、いろいろなキャラクターの学生に集まってもらいたいと考えています。強打者ばかりの野球チームは勝ち続けることができるでしょうか。守備が上手い選手、足が速い選手、肩が強い選手、咄嗟の判断ができる選手、リーダーシップがある選手、盛り上げ上手な選手......異なるタイプの役割を担える人がいて、それぞれの人が力を発揮するからこそ、チームのパフォーマンスは最大化するのではないでしょうか。ゼミが一つのチームとして相乗効果を生み出していくために、さまざまなタイプの人にいてほしいと思います。
そのため、成績が良い人だけを選抜したり、リーダーシップやコミュ力が高い人だけを選抜したりすることはありません。また、1、2年次の演習科目(基礎ゼミ、文献講読A、フィールドワーク)の履修者を優遇することもありません。面接では、希望者の皆さんが興味関心をもっていることを中心にお話ししてもらいますが、その内容や話してる様子から、チームのなかでどのような持ち味を発揮してもらえそうか、チームのなかでの役割を想像させてもらえればと考えています。したがって、残念ながら入室をお断りしてしまうことがあったとしても、それは他の人と比べてなにか劣っている部分があったから、ダメなところがあったからだというわけではなく、チームとして全体のバランスを考慮した上での判断であるとご理解いただきたく思います。
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●担当教員より:皆さんのがむしゃらを応援します
私が研究職を目指すきっかけになったのは、学部生のときのゼミでした。リサーチというのものゼミの課題でやってみると本当に楽しくて、「もっとやりたい!」と、それまで一切考えていなかった大学院進学を決めたくらいです。それは研究自体が楽しかったこともありますが、ゼミ生同士でいっぱい話し合ったり、ガチになりすぎて険悪な雰囲気になったりしながらも、同じ目標に向かって一緒に頑張ったことの楽しさが大きかったです。あのとき必死になった経験は、今でもいろいろな場面で思い出します。本ゼミに入室する皆さんにも、がむしゃらに頑張ることの楽しさをぜひ満喫してほしいです。そして私も、皆さんのサポートを目一杯楽しんで、精一杯頑張ります。

Contact
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kanaet (at) meijo-u.ac.jp
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