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2025年度基幹ゼミ 第5回 議事録

  • Kanaet-Lab
  • 5月19日
  • 読了時間: 4分

2025年度基幹ゼミ第5回の議事録です。


日時:2025年5月14日(水)14:50-16:20

会場:DW704

参加者:15名 髙橋、榊原班(5名)、田中班(4名)、溝田班(5名)


1 グループ発表

(1)榊原班

・発表者:柏原

・課題本:『オトナ親子の同居・近居・援助――夫婦の個人化と性別分業の間』

・発表範囲:第6章「親から成人子への援助――援助の受け手としての女性」

[概要]

 親からの援助は「夫婦一体」であり、妻は稼ぎ手ではなく「親族関係維持役割」だけが期待されていた。これらは子からの援助と異なるため、親と子の間で世代関係の捉え方にずれがある可能性を示唆している。

〈質疑応答〉

質問1:性別分業の変化によって親と子どもで世代関係の捉え方にずれが生じるについて詳しく聞きたい。

回答1:子世代の方では変化しているが親世代では変化していなかった。親世代と子世代の考え方はどうしてもずれが生じてしまうということ。

質問2:回収率の低さの原因となる質問の内容を教えてほしい。

回答2:本には詳しくは書いていない。


(2)榊原班

・発表者:柏原

・課題本:『オトナ親子の同居・近居・援助――夫婦の個人化と性別分業の間』

・発表範囲:終章「多次元的な世代関係を紡ぐ」

[概要]

 親との居住関係や親からの援助では「夫婦一体」がみられる一方で、子からの援助では「夫婦の個人化」がみられた。また、妻の収入は夫婦関係や世代関係に影響を与えるが、親は妻を援助の受け手としている。加えて、同居と近居では規定要因が異なることがある。

〈質疑応答〉

質問1:親夫婦一体でない同居は父の有無で親の権威の保たれやすさが変わるとはどういうことか。

回答1:父と一緒だと親の権威が生まれる。たとえば、自営業は親から子どもに与える構図ができる。そのため子どもは支援される側にもなる。一方母親だけだと子どもから一方的に支援される側になってしまう。そのため、父とともに住むと権威が保たれやすい。

〈先生からの補足〉

・援助は経済的援助、情緒的援助、世話的援助の3つに分けられる。


(3)田中班

・発表者:田中

・課題本:『恋愛社会学――多様化する親密な関係に接近する』

・発表範囲:第7章「恋愛は結婚において必要か、オプションか」

[概要]

 女性における未婚化の原因として「恋愛感情」が関係している可能性があると推測された。インタビュー調査の結果、日本では結婚に強い恋愛感情が必要とされているとわかった。それに対し、中国では結婚に恋愛感情は絶対的に必要なものとはされていなかった。

〈質疑応答〉

質問1:一対一のインタビューとグループインタビューの結果を比べるのはどうなのか。

回答1:調査者が日本人であるため、中国人の調査対象者に考慮をしてグループ面接をおこなったと説明されている。

質問2:女性の恋愛感情は未婚化とつながっているのか。

回答2:未婚化の原因の一つではあるが、もちろんそれだけではない。

〈先生からの補足〉

・一対一のインタビューとグループインタビューはたしかに手法が異なるので、比較するには注意が必要かもしれない。しかし、手法には一長一短がある。一対一では尋問のようになってしまうこともあるが、個人の話をじっくり聞くことができる。対してグループでは会話が盛り上がりいろいろな意見が聞ける一方で、他の人に聞かれているということから深い話をしにくかったり、話す人が集中単したりするなどの欠点がある。手法はケースバイケースで考える必要がある。


(4)溝田班

・発表者:安田

・課題本:『友人の社会史――1980~2010年代 私たちにとって「親友」とはどのような存在だったのか』

・発表範囲:第5章「悩みの種としての親友――読売新聞『人生案内』からみる親友」

[概要]

 『人生案内』において、1980年代後半から1990年代にかけては、関係不全にかんする相談が多く、相談者は若年層・中高生であった。一方2000年代以降は、相談内容は親友・友人との接し方に移り、相談者も中堅世代の主婦・無職、就労者を中心に多様になっていった。

〈質疑応答〉

質問1:若い人は、ただ単に新聞を読まないから相談数が減ったのではないか

回答1:本には記載していない。しかし、関係性はありそうではある。


(5)溝田班

・発表者:安田

・課題本:『友人の社会史――1980~2010年代 私たちにとって「親友」とはどのような存在だったのか』

・発表範囲:終章「よき友人関係をめざして」

[概要]

 人びとは2000年以降、友人関係の理想化と選択性の高まりにより、友人関係において孤独感や不安を抱くようになった。衝突を避け理想に縛られた関係は不安を助長し、純粋な物語に救いを求める。今後は、人びとが互いの弱さを許容し、持続可能な関係性を構築していくことが求められる。

〈質疑応答〉

質問1:フィクションの人物を主体とする記事の例などはあるか。

回答1:記事の中にある親友という特性を持ったキャラクターの属性。物語の中で親友が登場する物語。


3 まとめ

 分析内容について少しでもわからなかった場合にはすぐに質問する形ができていてよかったと思う。本の内容について自分では理解することができなかったときにはほかの人と話し合い、さらには質問するという流れもできてよかった。


作成:川崎

編集:榊原

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