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2025年度基幹ゼミ 第4回 議事録

  • Kanaet-Lab
  • 5月14日
  • 読了時間: 4分

更新日:6月4日

2025年度基幹第ゼミ4回の議事録です。


日時:2025年5月7日(水)14:50-16:20

会場:DW704

参加者:15名 髙橋、榊原班(5名)、田中班(4名)、溝田班(4名)


1 グループ発表

(1)榊原班

・発表者:榊原

・課題本:『オトナ親子の同居・近居・援助――夫婦の個人化と性別分業の間』

・発表範囲:第5章「成人子から親への援助――『夫婦の個人化』に注目して」

[概要]

 支援の形は「夫婦は一体」から「夫婦の個人化」へと変化している傾向が男女ともにみられる。また、妻の経済力の高まりや、男女の平等意識などが夫婦関係や、親・義親の支援へと影響を及ぼしている。

〈質疑応答〉

質問1:なぜ経済的援助よりも世話的援助のほうが個人化しやすいのか。

回答1:経済的援助は共有財産、世話的援助は個人のものであるため。

〈先生からの補足〉

・分析結果をよむときは、どのようなデータをどのように分析しているのかを確認しなければならない。

・結婚をすると嫁・婿役割が存在する。嫁役割では関係維持を求められているため、それが老親介護にも反映している部分があるのではないか。


(2)田中班

・発表者:川崎

・課題本:『恋愛社会学――多様化する親密な関係に接近する』

・発表範囲:第5章「若者の恋愛の優先順位」

[概要]

 かつて「恋愛」は「至上のもの」とされていたが、現代の若者はこのような恋愛至上主 義的価値観に対して否定的な意見をもつことが多くなった。そして、恋愛交際を「無理をしてまで継続するものではない」と変なす態度が強化され、恋愛を後回しにしている実態が見出された。

〈質疑応答〉

質問1:恋愛交際のハードルが高くなっている理由は何か。

回答1:ジェンダーの規範が解体されたこと、恋愛には技能が求められるためハードルが上がったことが理由である。

質問2:諸外国の若者はどのようになっているか。

回答2:取り扱っていないためわからない。

質問3:調査はいつおこなったのか。何人に調査したのか。

回答3:2020年9月24日~11月6日に実施した。有効回収数は1061名。

質問4:回答した大学生の詳細はどのようになっているか。

回答4:2000年調査は首都圏にある4つの大学。2010年調査は全国の26大学、2020年は全国の国公立および私立大学19校の社会学系授業の受講者。調査対象者のうち男性は調査年によって異なるものの36〜34%で、いずれも男性よりも女性の方が多くなっている。


(3)田中班

・発表者:川崎

・課題本:『恋愛社会学――多様化する親密な関係に接近する』

・発表範囲:第6章「リスク社会における恋愛と結婚」

[概要]

 リスクを個人の責任に帰することになった社会において、性行動から距離を置いたり、結婚相手の選択を失敗するリスクを回避したりするような意識や行動がみられた。また、自由に恋愛しつつも、個人の置かれた状況に合わせて「年齢」という規範も運用して行動している。

〈質疑応答〉

質問1:階層性とは何か。

回答1:経済力の差のこと。

質問2:結婚を求める条件の変化について、以前では個人の問題ではないと、ときめきを求めると二つあるがこれはどういうことか。

回答2:家を存続させるためのもの→ときめきを求めるもの→固定的で安定した関係と整理できると思われる。

質問3:低階層の傾向について、収入だけでなく親も影響しているのではないか。

回答3:階層は収入、親、学歴などの様々な要素が含まれている。

質問4:インタビューの手法を確認したい。

回答4:初めに少人数で、あるテーマに関して話し合うフォーカス・グループ・ディスカッションをおこなった。その後、フォーカス・グループ・ディスカッションの参加メンバーのうち12名に半構造化インタビューをおこなった。半構造化インタビューとは事前に質問内容を準備するが場合に応じて質問や順番を変更しながらおこなうインタビューのこと。

〈先生からの補足〉

・質問でも議論になった「階層」は別の論文から引用されているようである。ここでの「階層」の定義を確認するためには、引用元を確認するとよい。


(4)溝田班

・発表者:安田

・課題本:『友人の社会史――1980~2010年代 私たちにとって「親友」とはどのような存在だったのか』

・発表範囲:第4章「親友たちの高校野球」

[概要]

 近年の高校野球を扱った記事において友情物語が増加したことは、人々が感動を誘う友情の物語を希求していることを表す。暗い部分を徹底的に排除したさわやかなメッセージには、現代人の理想が反映されている。

〈質疑応答〉

質問1:批判、嫉妬、あきらめなどは物語の途中にはあるのか。

回答1:新聞記事では短い文であるため取り除かれている。嫉妬なども肯定的にとらえ、ハッピーエンドにしている。

〈先生からの補足〉

・親友の物語はどのような媒体での話であるのかという視点で質問すると良い

・この章ではファンタジーを扱っていたが次の章や田中班の発表では現実の問題を扱っている。現実と理想という二つの視点をもつとよい。


3 まとめ

 発表された結果を受け止めるだけでなく、調査の方法や対象などデータの詳細について確認することが必要だとわかった。調査方法と結果を確認したうえで、調査方法は適切であったのかなどを考えるようにしたい。


作成:齋木

編集:榊原

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