2025年度基幹ゼミ 第3回 議事録
- Kanaet-Lab
- 5月1日
- 読了時間: 4分
2025年度基幹ゼミ第3回の議事録です。
日時:2025年4月30日(水)14:50-16:20
会場:DW704
参加者:15名 髙橋、榊原班(5名)、田中班(4名)、溝田班 (5名)
1 グループ発表
(1)榊原班
・発表者:祖父江
・課題本:『オトナ親子の同居・近居・援助――夫婦の個人化と性別分業の間』
・発表範囲:第3章「夫方同居・近居と妻方同居・近居」
[概要]
「規範的」同居と「非規範的」同居の2種類は主に父系規範の考え方により左右されている。また、同居と近居で分けた際や夫方または妻方で見た時にそれぞれ違いが生じる。そのため少子化対策として国が促進する「3世代」同居は見直す必要がある。
〈質疑応答〉
質問1:無配属とはどういう意味か。
回答1:無配偶の誤り。
質問2:息子と娘では差が約2倍と説明されていたが、娘と息子ではどちらが上なのか。
回答2:息子の方が娘より2倍多い。
(2)榊原班
・発表者:祖父江
・課題本:『オトナ親子の同居・近居・援助――夫婦の個人化と性別分業の間』
・発表範囲:第4章「父との同居と母との同居」
[概要]
社会状況によって父または母との同居に変化が見られた。文化的側面においてほかの国と比べてもその変化は顕著である。また、父と母の同居率、規定要因の違いの背景には親の権威が関係していた。このような社会を国はどう政策、改善していくべきなのかを検討する必要がある。
〈質疑応答〉
質問1:1980年代以降、途中同居が増えた要因として年金制度の充実が挙げられるのはなぜか。
回答1:老後の経済的自立が可能になったため、介護が必要になるまで同居が不要になったから。
質問2:途中同居は、親世代の夫婦のどちらかが亡くなってから同居するということか。
回答2:介護などの理由も含まれるため、必ずどちらかが亡くなった状態とは限らない。
質問3:父に比べて、母との同居が多いのはなぜか。
回答3:母親が夫と死別や離別をしているなど、無配偶であることが前提となっているから。
〈先生からの補足〉
・結婚したカップルの居住については、同居制のほかに新居制がある。
・きょうだい数が多い場合、親と同居できる子どもは1人に限定され、それ以外の子どもは親と別居することになる。
(2)田中班
・発表者:斎木
・課題本:『恋愛社会学――多様化する親密な関係に接近する』
・発表範囲:第4章「1980年代の恋愛至上主義」
[概要]
恋愛と結婚は切り離され、1980年代の恋愛は自己目的化された。恋愛文化はマニュアル化され、その中には性別役割分業が明確にあらわされており、その後の婚姻関係にも都合がよく、連続性がある。恋愛は最も重要なものして位置づけられた。
〈質疑応答〉
質問1:疑似体験とはどういうことか。
回答1:物語をみて、まるで恋愛をしているように感じられる内容が掲載されていたということ。
質問2:『non-no』より『POPEYE』があとに出版されたのか。
回答2:女性誌と男性誌で対照的な描かれ方をされているが、同じ時期に出された。
質問3:恋愛に共感と憧れが生じたと説明があったが、なぜ憧れが生じるのか。
回答3:1970年代は結婚することを前提とした恋愛であったが、80年代に入ると自分のための恋愛が中心になっていったため、理想の恋愛に対する憧れが生じた。
〈先生からの補足〉
・恋愛と消費という観点では、ゾンバルトの『恋愛と贅沢の資本主義』という著書がある。
・大正から戦前にかけての少女雑誌では、連載される小説などを通じて、親の言うことを聞くことや貞操を守ることが強く説かれていた。このことが本章で指摘されていた女性雑誌の純血主義とも通じるところがあるのではないか。
(3)溝田班
・発表者:岡田
・課題本:『友人の社会史――1980~2010年代 私たちにとって「親友」とはどのような存在だったのか』
・発表範囲:第3章「投書欄に見る親友のあり方――個人化・心理主義化への移行」
[概要]
2000年代以降、親友の重要さを綴った投書が増え物語性の拡大が起き、日常のちょっとした出来事・心の揺れ動きを題材にした投稿など諸個人の内面を起点としたものに変化した。
〈質疑応答〉
質問1:「諸個人の外側で起きた現象」とは具体的にどのようなことを指すのか。
回答1:内側は気持ちの側面で、外側は困難があって克服したなど事実として生じたこと。
質問2:外的な事実に規定された物語は縮小したとはどういうことか。
回答2:内面に焦点を当てた記事が相対的に増えたということ。
3 まとめ
他の班の発表を聞く中で、興味がある内容ばかりなので実際に本を読んで学びたいと思った。どの班もスムーズに質問を受け答えていたので、良いと思った。
作成:木下
編集:榊原