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2025年度基幹ゼミ 第2回 議事録

  • Kanaet-Lab
  • 4月24日
  • 読了時間: 4分

第2回議事録


2025年度基幹ゼミ第2回の議事録です。


日時:2025年4月23日(水)14:50-16:20

会場:DW704

参加者:15名 髙橋、榊原班(5名)、田中班(4名)、溝田班(5名)

 

1 連絡事項

・添削済みレジュメの返却について


2 グループ発表

(1)田中班

・発表者:田中

・課題本:『恋愛社会学――多様化する親密な関係に接近する』

・発表範囲:第3章「恋愛・結婚における親の影響」

[概要]

 明治時代になるにあたって、同じ村の中で自由に配偶者を得る「村内婚」から、親や親戚にとっての利害などが優先される「見合い婚」が一般化されるようになった。敗戦後、法的に親の介入が否定され、見合い婚は衰退した。しかし、現在でも親の影響力は完全にはなくなっていない。

〈質疑応答〉

質問1:社会的マイノリティの例には何があるか。

回答1:感染病や遺伝の病気の患者、憑き物のある人と本文で紹介されている。

質問2:家族主義とはどういう意味か。

回答2:家族は家族に対する福祉に対して最大限の責任を負うべきということ。

質問3:コンフリクトとはどういう意味か。

回答3:和訳は対立。発表では家族主義においては家族間に対立が少ない結婚をした方が良いという説明で使われた。

質問4:江戸時代の村内婚では若者は自由に結婚していたとあったが本当か。

回答4:村内の身分差があまりなかったため比較的自由であったのではないかと考えられる。

〈先生の補足〉

村内婚については、年齢の近い集団内でのコントロールがされていたともいわれている。


(2)榊原班

・発表者:木下

・課題本:『オトナ親子の同居・近居・援助――夫婦の個人化と性別分業の間』

・発表範囲:第2章「世代関係についての新しい視点――「夫婦の個人化」」

[概要]

 本章では、親と成人子の援助関係を7つの理論枠から分析している。産業化や人口構成の変化により、親子関係は双糸化しつつあるが、文化的規範や制度により夫方優位の側面も残る。特に日本では、経済的援助は夫方、世話的援助は妻方に向かう「性別分業型の双系」が一般的である。近年は、「夫婦の個人化」が進み、夫は夫親、妻は妻親との関係を重視する傾向が強まっている。また、少子化対策としての同居政策や、女性が親族関係を維持する役割を担う現状も注目されている。

〈質疑応答〉

質問1:親世帯と子世帯の相互依存を強める政策の例は何があるか。

回答1:親と子の同居・近居に対して補助金を出している自治体が複数ある。

質問2:双系化とはどういう意味か。

回答2:夫方親・妻方親どちらの関係も重視されているこということ。

質問3:日本は結婚後に兄弟姉妹が連帯して親を援助する文化的伝統が弱いというのは、他国と比較するとそのような特徴があるということか。

回答3:どの子が親元に残るかという研究で、中国やインドでは複数子どもを残すのに対して、日本では一人だけ(特に長男)残すというデータがある。


(3)溝田班

・発表者:溝田

・課題本:『友人の社会史――1980~2010年代 私たちにとって「親友」とはどのような存在だったのか』

・発表範囲:第2章「親友の30年史――新聞のなかの親友」

[概要]

 「親友」が含まれる記事の内容および発話者の属性を要素ごとに経年比較し、友人に対する社会的な目線の変化を追跡した。友人の語りは、政治や外国という遠い世界で象徴的に発せられる80年代から、親友概念が生活領域に浸透した90年代、また複雑化ゆえに幻想としての友人物語が増加した2000年代が転換期となり、変遷がみられた。

〈質疑応答〉

質問1:後景化とはどういう意味か。

回答1:重要視されなくなったということ。

質問2:死を想起させる経験をしたら親友とするというのは、それまではそう思っていなかった相手が親友になるということか。

回答2:死線をくぐりぬけた人は親友と呼ぶべきだろうなど、あとからその人に対して肯定的に認識しやすいということ。


3 まとめ

各班の発表から、結婚目的の変化の中で親の影響力が残り続けていること、「夫婦の個人化」という新しい世代関係の視点があること、「親友」のイメージの歴史が分かった。


作成:柏原

編集:榊原

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