2024年度基幹ゼミ第7回の議事録です。
日時:2024年5月21日(火)14:50-16:20
会場:DW704
参加者:13名 髙橋、川瀬班(4名)、鈴木班(4名)、三澤班(4名)
1 グループ発表
(1)川瀬グループ
・発表者:竹内
・課題本:『分断社会と若者の今』
・発表範囲:第2章「若者の従順さはどのようにうみだされているのか」
[概要]
1990年代以降の長期不況の中で日本社会は不透明さが増している。現代の若者は、そうした時代の中で権威主義化が進み「従順」であると考えられた。
〈質疑応答〉
(2)と合わせておこなった。
(2)川瀬グループ
・発表者:竹内
・課題本:『分断社会と若者の今』
・発表範囲:第3章「若者はなぜ自民党を支持するのか」
[概要]
若者が自民党を支持する要因は、若者内での分野による再編された支持構造と、物質主義、新自由主義、宿命主義といった社会意識がある。
〈質疑応答〉
質問1:3章について、5つの社会意識のうち新自由主義を支持する人が自前層に多いのはなぜか。
回答1:本文には細かな理由などは書かれていなかった。
〈先生からの補足〉
保守政党に対する支持は、すでに生活の基盤が固まっている年配層ほど高くなりやすい。一方で若者は保守的なやり方よりも革新的なやり方を好むというのが諸外国では定説になっているが、日本ではその傾向が弱い。そこが日本の独自性であると本書では指摘しているといえる。保守政党への支持は競争にすでに勝っている人や既得権益がある人にとっては優位な政策である。
(3)三澤グループ
・発表者:森田
・課題本:『若者とは誰か――アイデンティティの30年』
・発表範囲:第2章「それは消費から始まった」
[概要]
人々が自分自身のアイデンティティを対象化し、それに働きかけるそのやり方が消費社会化の進行とともに変わってきた。
〈質疑応答〉
(4)とあわせておこなった。
(4)三澤グループ
・発表者:森田
・課題本:『若者とは誰か――アイデンティティの30年』
・発表範囲:第3章「消費と労働との間で」
[概要]
自己の変容は消費の領域を通して、労働の領域まで影響を及ぼすようになった。
〈質疑応答〉
質問1:2章の「自然な欲求の充足から他者とのコミュニケーションを媒介する記号へ」をもう一度説明してほしい。
回答1:この部分はよくわからなかった。
〈先生からの補足〉
たとえば、何か飲み物を買うというとき、ただ喉の渇きを潤すだけなら水でもお茶でもなんでもいいはず。にもかかわらず、どの種類の飲み物がいいか、どのブランドやメーカーがいいか、などいろいろなことを考えて消費をおこなっている。なぜそのようなことが起こるのかというと、そこには何を選択するかということがメッセージをともなう行為であるから。ただ喉の渇きを潤すということが「自然な欲求の充足」である。一方で、どの種類を飲むか、どのブランドを選ぶかということがもつ記号的意味によってどのような自己を演出するということが「他者とのコミュニケーションを媒介する記号」ということになる。つまり、消費には個性やアイデンティティといった問題が関連してくるということを意味している。
(5)鈴木グループ
・発表者:日野
・課題本:『ヤンチャな子らのエスノグラフィー――ヤンキーの生活世界を描き出す』
・発表範囲:第2章「〈ヤンチャな子ら〉の学校経験」
[概要]
ヤンチャな子らは、家庭の文化に依拠して学校文化を異化しながらも、親たちお人生に自らの人生を重ねようとしなかった。葛藤を抱えながらも「現場の教授学」があるからこそ、学校にとどまれるのであり、彼らは教師を肯定的に評価している。
〈質疑応答〉
質問1:親の影響とは父親と母親どちらの影響を強く受けるのか
回答1:本文では父親。しかし、一概にすべてが父親とは言い難いと考えられる。
質問2:教師に対して好意的だといえるのはなぜか。
回答2:インタビューから教師に対する感謝の気持ちがあったから。
質問3:親と共通の趣味があると紹介されていたが、具体的にはどのようなものか。
回答3:本文中の例を挙げると、サーフィンやバイク、音楽などがあった。
3 反省
3冊とも関連が強い内容であった。結び付けて理解すると学びやすい分野だった。個々の研究を進めるうえで、非常に重要な内容でもあるため理解を深めたいと思う。
作成:川瀬
編集:三澤