2024年度基幹ゼミ第9回の議事録です。
日時:2024年6月4日(火)14:50-16:20
会場:DW704
参加者:11名 髙橋、三澤班(4名)、鈴木班(3名)、川瀬班(3名)
欠席者:2名
1 グループ発表
(1)三澤グループ
・発表者:梅岡
・課題本:『若者とは誰か――アイデンティティの30年』
・発表範囲:第6章「多元化する自己」
[概要]
若者の友人関係は希薄化したのではなく状況志向化したのであり、それに対応して彼らの自己は多元化していったのである。
〈質疑応答〉
質問1:偶有性の縮小過程の一端とはどういうことか。
回答1:アイデンティティのなかで偶然決まりうる余地や余白の部分を消費することによって埋めて、偶然性があったはずの部分が縮小していくこと。
質問2:フリッパー志向とはどういう意味か。
回答2:フリッパーとは足ヒレのこと。ヒレがひらめくように人間関係を使い分けること。
(2)鈴木グループ
・発表者:田中
・課題本:『〈ヤンチャな子ら〉のエスノグラフィー――ヤンキーの生活世界を描き出す』
・発表範囲:第4章「『貧困家族であること』のリアリティ」
[概要]
〈ヤンチャな子ら〉は自らの家族について文脈に応じて逸脱的または正常な側面を強調し、理想の家族像や自己の家族経験を描写した。彼らの家族に関する記述は流動的で多元的であり、個々の経験から選択的に語られる場合もあった。一貫した家族経験の資源の不足は、アイデンティティ形成や集団内の評価にも影響を与える。
〈質疑応答〉
質問1:記述のポリティクスとはどういう意味か。
回答1:ポリティクスには政治学や政治的な意味が含まれ、記述する上でうまく立ち振る舞いながら自分たちの逸脱性を正常ということをアピールすること。
(3)川瀬グループ
・発表者:片岡
・課題本:『分断社会と若者の今』
・発表範囲:第6章「非大卒若者の大学離れ」
[概要]
若年層の働き方と自由の関係について、学歴が若者の仕事における自由の獲得に関わることが示され、若年非大卒層の職業的苦境や若年大卒女性のジレンマが明確になった。
〈質疑応答〉
質問1:若者において大学進学志向の大卒、非大卒の学歴差の30ポイント前後は具体的に何を指すのか。
回答1:男女ともに大卒と非大卒との間には大学進学志向に対する肯定比率の約30%差があること。
質問2:どうして若者を30代以下としているのか。
回答2:雇用の流動的や晩婚化、少子化などによって若者と捉えるべき層が高年齢化しているため、年齢層を20歳〜39歳とやや高めに設定している。
2.反省
質問された際、本を読んでいたのにも関わらず、すぐに回答を出せなかった。そのため、より内容を理解し、グループ全体で共有する必要があると感じた。また、疑問点があったとしてもうまく言語化できないため、いつも誰かが質問するだろうと任せきりな所がある。もう少し、語彙を増やすのと積極性を磨かなければならない。
作成:永田
編集:三澤